2D_CADから3D_CADで、これからBIMに挑戦

2D_CADは製図作業をドラフターからパソコンへ

建築士の試験までは、T定規を使った手書きでした。試験用に小さいA3の製図板も用意して無駄に書いていました。少し後に平行定規が試験でも使えるようになったようでした。実際の仕事では、ドラフターがメインで、事務所内でも製図台が場所を占領していました。そのころの身近なCADはDOS版のJW-CADでしょうか。パソコンの主力がまだPC-88の8ビットからPC-98の16ビットに変わったころで、まだ身近ではCADは実用的ではありませんでした。PC-98も32ビットのRWが出たてDOSがWINDOWSになったころにやっと、ワープロもパソコンソフト(VJE-PENや一太郎)に代わり、CADや見積ソフトを使い始めたような記憶があります。CADソフトと言えばやはりWINDOWS版になったJW-CADでフリーソフトの為に皆が使っていました。CADで作図するようになった事は設計や施工図の分野の革命だと思いました。作図は打合せの度に変更が付き物です。手書きのころは消しゴムや修正液で消して修正したり、修正するなら書き直しした方が早いと最初から書き直した事もありました。CADは修正も苦にならず、簡単に修正出来ますし、保存しておけば、別物件でも再使用が可能でした。ただ、弊害もありまして、思いのままに書ける事で基準寸法が小数点の入った細かい数字になったり、細部まで書き込んで設計の意図が分からない図面が多く出て、揉めたことを覚えています。施工図で寸法数字を丸めるとチェックバックで「2,012.35㎜です」なんてチェックが入ってきます。「0.35㎜なんて現場でどうするねん!」という具合に揉めるんです。手書きのころは、基準寸法でこんな数字はでないですよね。三角スケールで読めませんから。

それでも、パソコンでの作業は建築屋スタイルを革命的に変えました。ノートパソコンで見積・実行予算・施工図作成・文書作成が車の中など どこでも出来てしまうようになったのでした。事務所の机に向かわないと出来なかった作業がどこでも出来るようになった事は何倍もの効率UPでした。

記憶では、その頃使っていたノートパソコンはシャープのメビウスでした。なかなか在庫がなくて、秋葉原のラオックスパソコン館の店員から入荷連絡をもらい、急いで買いにいったものでした。たしか40万円くらいしたと思います。バブリーでしたから。

3D_CADは一目でわかる絵が描けました

2008年ごろですか、google(グーグル)のSketchUp(スケッチアップ)というソフトを見つけました。それまでも3D_CADに興味があって、調べてみたり使ってみたりしましたが、不満だらけで使い続ける気になるソフトはありませんでした。高額なBentley(ベントレー)やVectorworks(ベクターワークス)なら実用的だったのかもしれませんが、限られた経費の中で運用できるソフトが無かったのです。有料のソフトで 少し使用してみたものが3Dマイホームデザイナーでした。そのころPRO版が発売され 期待して使ってみたのですが、自分の思ったソフトではありませんでした。ソフトで定義された普通の住宅はできるのですが、自分の思い通りの加工ができませんでした。レイヤー分けされたデータを加工しようと試みるも複雑すぎて無理、ソフトもそのような使い方を想定していなかったようでした。

私の3D_CADの使用目的は説明資料の作成が主です。設計や業者間の打合せでは各種図面で分かり合えるのですが、施主には平面図・立面図や展開図などの2D図では出来上がったイメージが想像できないのです。手書きパースやスケッチを使いますが、360°表現できる3D_CADが必要だったのです。

それとは別に 整合性のない図面を無くす方法が3Dで出来るのでは?という思いもありました。施工図の枚数が増えてくると、変更の度に図面修正するのが大変でした。サッシが変わると躯体・窓枠・タイル割りなど様々な変更を各図面で変更しないといけません。この労力を3Dは減らせるのではないかと、思っていました。

私が考えている事は、他のだれかも考えているだろう。と いつも思っています。3D_CADでも そんなソフトがありました。 SketchUp(スケッチアップ) でした。でした。 google が買収し直ぐに無料で公開してくれました。直感でモデル作成が出来てしまうソフトで 特にPushPull(プッシュプル)機能は感動しました。

こんな事はできないか?きっとこんな機能があるだろう、と考えながら使っているとモデルが出来てしまいました。上の画像が当時創った近くの神社の手水舎です。氏子の方々もこの絵で想像が出来ます。結果、これの実物が出来ています。

当時はスケッチアップも未熟ソフトで日本語の不具合があったので、英語版をそのまま使用していました。LayOut(レイアウト)という付属ソフトも思うように動きませんでしたが、一つのモデルを造ってそれを2D_CADの表現にする考えは当時の私の必要とする機能でした。

JW-CADで下絵を書いて SketchUp でモデルを造り、 LayOut で2D表現し説明資料を作る事は今でもやっています。手軽にできるので、家具製作や改修方法の説明にはとても重宝しています。

今では SketchUp もTrimble(トリンブル)に売り渡されPRO版で なかなかのソフトになりましたが、どんどん高額になり、私は2014でついていけなくなり 今でも古いバージョンを使っています。そろそろBIMですかね。

BIMの費用対効果は?

3D_CADとBIMの違いがよくわかりません。3次元モデルを作って2次元図を切り取る方法はスケッチアップとレイアウトでやっていますから。

私がBIMのソフト(ARCHICADやRevitなど)の導入を考えているのには 今までと少し違った運用がしたいと思っているからです。ARCHICAD(アーキキャド)はVer.15のころからグラフィソフトの体験セミナーやイベントに行きRevit(レビット)と共に試用版も使ってみました。家具や一部の納まり確認の資料には SketchUp が手軽で十分です。しかし、建物全体の施工図や納まりチェックはBIMの導入が必要だと感じました。

最近の建築設計は設計料が足りないのでしょうか。確認申請に必要な最小限の図面しか無かったり、詳細図は 明らかに異国の人が書いていますね、という図面をよく見かけます。意匠基本図・意匠詳細図・構造図・設備図と有りますが、全然 整合していないものが そのまま建築屋にきて 見積や施工検討を要求されることが多いです。そのような設計では複雑な納まりの箇所は図面表現していない事が多いです。あえてしないのでしょう。そのような時は施工側から質疑を出しますが、文字で表現しても伝わりません。 SketchUp で3D表現した絵を付けて説明します。見積をする作業でも簡単な作図を必要とする場面は多いです。躯体のボリュームや設備配管のルートなどは、簡単な3Dを書いて理解します。

見積や施工検討の段階では、簡単なモデルを作成しての検討。請負契約から先の施工図作成と設計では見えない不具合の修正と 建築屋が行う施工管理作業を総合的に効率よく且つ品質の良い建築が出来る道具としてはBIMソフトの活用が必要なのでは と思います。

費用の面も含めて、建築屋にはどもBIMソフトが最適なのか検討中です。本来は設計作業で使う目的で作られているBIMソフトなので、もう少しソフトが成熟しないと使えないかもしれませんね。

今のところ、GRAPHISOFTのArchiCADが使いやすそうです。最初はSoloで使ってみて上手く運用できそうなら、レギュラー版にアップグレードと思っていますが、世界標準はautodeskのRevitみたいですね。私には直感では使えませんでした。だれかに教えてもらわなければ使えない物ですが、天下のautodeskですから日本でもautocadのように標準になってしまったら、無視できませんからね。情報を収集しながら、検討中です。今年中には決めてBIMを使いこなしてみたいものです。

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